読書メモ

旧皇族が語る天皇の日本史(PHP新書竹田恒泰

明治天皇の玄孫である著者が、古代から現代までの歴史を天皇家の視点から一気に語った本。日本史の授業では平安以降、天皇の存在というのはさっぱり薄くなってしまうのだが、もちろん鎌倉時代も江戸時代も天皇は厳として存在していたわけで、目立たないながらも重要な役割を果たし続けている。
幾度かの危機を乗り越えつつも2000年以上にわたって続いてきた天皇は、やはり時代ごとにその立場を少しずつ変えつつ、一方で常に変わらぬ存在であり続けたわけだ。
古代、平安、鎌倉と時の政権ごとに時代を分けて学んでいくと、なんだか歴史がぶつ切りにされてしまうような感覚があるのだが、こうして連綿と続く天皇の視点から見てみると、やはり歴史は一本の大河のように流れて今につながっているのだなあという思いを強くするわけである。



■古代史の謎はどこまで解けたのか〜戦後発掘された遺跡が語る日本のルーツ(PHP新書、山岸良二)

古事記」にハマったせいか、最近は歴史物、特に古代にかかわるものに興味が向いているようである。まだ読んでいる途中。
日本の考古学はさほど歴史の長いものではないが、それだけに戦後の発掘研究だけで次々と新しい事実が明らかになっていく。
恐らく、考古学にかかわっている人たちにとっては、茫洋たる道の領域と、地面に眠る沢山の宝によってどんどん事実が更新されていくこの世界、とてもエキサイティングなものと感じているんだろうなと思う。

秋田県大湯の環状列石が既に「墓」であったことが確定しているとは知らなかった。まだミステリーサークルみたいな扱いだと思っていた。