鐘撞堂山〜円良田湖
5月17日の日曜日、ヒマだったので山登りすることにした。
今回のターゲットは、東上線の寄居駅から徒歩でいける「鐘撞堂山」である。
この山、去年の11月30日にも登ったことがあって、手ごろでいい感じだったのだが、いろいろ忙しくてブログに記録するヒマがなかったため、また行ってちゃんと記録しておきたいと思っていたのだ。
さて14:00に寄居駅を降りると、もう目の前に目指す山の姿が見えてくるので、国道140号に出て、山への入り口を求めて進む。
途中にヤオコーがあるので、ここでお弁当や飲み物などを仕入れる。ここまで、前回の経験があるので計画通りスイスイ進む。
登山口への入り口は、この洋服の青山が目印だ。
のどかな里山の風景を横目に10分ほど歩くと、「大正池」に差し掛かる。
こんもりした木々の緑が目に優しい。
いい天気だなぁ。
軽く一息ついたあと、登山道へとさらに進む。
登山道までは林道をすすむことになるが、このような標識が立っているので迷うことはない。というか、去年来たときはこの標識がなかったせいで、あらぬ横道にそれてしまい、危うく遭難しかかったのである。
これが山の入り口。シューズの紐を締めなおして、いざ分け入らん!!
左手に広葉樹、右手に杉林が迫る道。ここは紅葉も沢山生えているらしく、去年の秋に来たときはこんな感じで一面紅葉のじゅうたんになっていた。
道は葉っぱが積もっているが、きちんと整備されておりでこぼこはほとんどない。
とはいえ、途中に現れるうっそうとした竹林のトンネルは、天気のよいこんな日ですら薄暗くて不気味な感じがする。
なお途中に竹炭工房のあばら家が建っているのだが、9条がどうとか原発がどうのとかいう、やたらサヨクがかったポスターが沢山はられており、工房というよりテロリストのアジトみたいな風情である。
15分も歩くと、中腹の分岐点に到着する。左の円良田(つぶらた)湖は、帰りのルートとする予定。ここまでくればもう頂上はすぐそこである。
そこから先はやや急な階段をえっちら登る。
あっという間に頂上についてしまった。登山道入り口からたったの30分たらず。ちょっと物足りないが、この手軽さが魅力でもある。
頂上にはあずまやや展望台がしつらえてあり、きちんと整備されているので気持ちの良いところである。
ふもとには戦国時代に活躍した北条方の城があり、物見台の役割を担っていたこの山から急を知らせるために鐘が据えられていた、というのが「鐘撞堂山」の由来である。
もちろん、その名にちなんだ鐘が今もおかれている。とりあえず、カーンと一発鳴らしておく。
たった330mの山なのだが、眺望はそれに見合わぬほど素晴らしい。南側の寄居駅方面からはるか彼方まで見渡せる。右下に見える谷筋が、自分の登ってきた大正池のあたりと思われる。
頂上で休んでたおっちゃんの話だと、空気の澄んだ冬には東に筑波山まで見えるそうだ。
葉の落ちた秋にはこんな具合である。
さて、おやつも食べたし、とっとと帰るとしよう。
帰り道は、先ほどの分岐点まで戻って、円良田湖方面へと向かう。
ちょっと下ったらすぐこんな平坦な道になる。地元のおっちゃんが手ぶらにサンダルでふらりと散歩にこれる山なのである。
円良田湖に到着。付近に農業用水を提供する人造ダムである。浮き橋がたくさんかけられており、ヘラブナ釣りが盛んなようだ。
ええ天気やなぁ。
さてここから先は、寄居駅方面に向かう途中で「五百羅漢」の石仏が立ち並ぶ少林寺に行くことができるのだが、そこは前回行ったので、今回はルートを変え、円良田湖をぐるっとまわって波久礼(はぐれ)駅方面に向かうことにする。
ちなみに少林寺の羅漢石仏はこんなやつ。
一体一体表情のことなる多彩な石仏のならぶ山道で、みどころではあるのだが、薄暗い中であるくとちょっと気味が悪かったりもする。
それにしても、川越大師にある五百羅漢の石仏と作風が似ているような気がするのだが、気のせいだろうか。
ふもとにあった「西行戻り橋」という、普通のコンクリートの橋。平安時代、この地を旅した西行法師が、地元民とのカルチャーギャップに面食らって引き返した、といういわくがついている。本当かどうかしらないが、1000年近くも昔の人のエピソードが残っているというのはやはりすごいなぁと思う。西行さんもそんなことになるとは思っていなかったろう。
さて、波久礼駅にまっすぐむかわず、道を外れて「かんぽの宿 寄居」に立ち寄る。
今回わざわざ帰りのルートを変えたのは、ここにある展望露天風呂が目当てだったからである。
建物は川を見下ろす高台の上に立ち、さらにその最上階が風呂になっている。日帰り入浴¥800なり。
休憩所からの景色。荒川が流れる山に挟まれた集落を見渡すことができる。箱庭みたいだ。
お風呂も丁度よい湯加減で、アルカリ性泉のぬめっとした感じが疲れた体にここちよい。自分と同様、周辺でハイキングを楽しんできたと思しき中高年のグループが大勢来ていた。
西日がきついが、この一杯で俺は何度でも蘇るのである。
なーんてノンビリしていたら、帰りの電車まで10分しかないことに気がついて、あわてて宿を飛び出し、坂道を転がるように駆け下りて波久礼駅に飛びこんだ。せっかく体を休めたのに、また汗をびっしょりかいてしまった。
ここもレトロなたたずまいのいい雰囲気の駅舎。ここだけ時間が止まっているかのよう。