読書メモ

■戦後教育で失われたもの(新潮選書、森口朗)

戦後教育で失われた、といえば愛国心とか君が代とかそんなのがまず思い浮かぶのだが、この本で筆者が強く指摘するのは、「競争教育」である。
悪平等の思想に基づいて、全国学力テストなど、学生の競争を促す制度が次々廃止され、近年に至っては運動会の徒競走なども「手をつないでみんなでゴール」などと言う極端な例が現れているらしい。

思い出すところ、俺の小学校の頃は特にそんな極端な平等教育はなかったと思うし、君が代や日の丸の歌もしっかり教わった。国旗掲揚のお作法なんかもわりとちゃんとやっていた記憶もあるのだが、今の小学校はそういうこともやらなくなっているのだろうか?

そういえば小学校のころ通った塾はド左翼のばーさんが経営してる私塾で、ことあるごとにキチガイ平和主義を子供に刷り込もうとするのに辟易してたなぁ。なんかアカ同士のネットワークみたいなのもあって、気持ち悪かったのを覚えている。

戦前、戦後で教育の方向性が大きく変わったのはその通りなのだろうが、ここ数十年、特にバブル崩壊後くらいからそうした歪みがさらに顕在化してきているのではないだろうか。なんてまとまりのないことを思った。


■死刑執行官が明かす  死刑は如何に執行されるか(日本文芸社、坂本敏雄)

自民党政権に代わってから、死刑も順調に執行されているようである。地味ながら堅実な谷垣氏は法務大臣としては適任といってよかろう。

死刑制度については色々な意見があるが、現時点においては、「故意または未必の故意により他人の生命を奪った者は原則として死刑」にすべきというのが俺の考えである。

とはいっても、死刑についてろくに勉強をしたわけではないので、もう少し知識をしいれてからまた考えようと思って借りた本。
どちらかというと、もと執行官によるルポルタージュ風の読み物に仕立てられており、死刑制度の賛否といったことにはさほど踏み込む内容ではない。

人事をめぐる陰謀、刑務所内の腐敗などをテーマにしたミニ小説もあって、まあ、おもしろく読めた。