読書メモ

・国を滅ぼす本当の敵は誰なのか(徳間書店渡部昇一

上智大名誉教授にして保守派論壇の一人、渡部氏によるかなり最近の本だ。
どうも昨今の情勢をみるに、特亜をはじめとする敵性外国の存在はきになるものの、日本にとって一番の「敵」は日本国内にこそあると感じざるを得ない。そのへん、いろいろあぶり出してくれるのではと期待して、図書館で予約して三ヶ月近く待ってようやく借りてきた。
しかし内容は、200ページあまりに亘るその半分近くが原発に関するもの。かの大震災のあとの原発バッシングがよほど腹に据えかねているのだろう。国家の独立の根幹はエネルギーの自立であり、これを崩さんとする反原発派は国を滅ぼす賊に等しいと痛烈な批判である。
もちろん、俺はその意見には完全に同意する。

日本が大東亜戦争に飛び込まざるを得なかったのは、まさに国力の源泉たるエネルギー供給を絶たれる危機に追い込まれたからに他ならない。
我が国がようやく獲得した準国産ともいえるエネルギー、原子力をみすみす手放すことは、直接的に国力を損なうのみならず、その基盤を不安定化させ、いずれはまた負けを覚悟しての捨て身の戦争に突入せざるを得なくすることになる。
民主党脱原発路線を事実上撤回したようでやれやれだが、不当な批判を恐れず、もう一歩踏み込んで「国家の独立と繁栄、平和のために断固として原発を推進する!」と宣言すべきである。ま、無理だろうけど。
これまで原発・核エネルギーを推進してきた自民党こそは、そうした態度を示して欲しいものだが、いまのところそこまで踏み込んだ発言をする人は総裁選の候補者にも見当たらないようだ。


自然エネルギーの可能性と限界(オーム社、石川憲二)

エネルギーつながりで。もとより俺は「再生可能エネルギー」と呼ばれる新技術にも興味津々である。一番興味があるのは核燃料サイクルなのだが、ちょっと難しそうな本が多くてまだ手が出ない。

で、この本は風力・太陽光発電を中心とする「自然エネルギー」について、実際の数値データから、どれほどのことが出来るのかを冷静にまとめている。
文体が「空想科学読本」みたいに軽くて読みやすく、時々筆者の空想が翼を得てどっかへ飛び立ってしまいそうになるが、きちんと現実を踏まえて出来ること、できないことを明らかにしているのは好感が持てる。
結局、いかなるエネルギー源にも向き不向きとメリット・デメリットがあり、それらの特性をよく理解した上で、適切にミックスさせて活用していくのが最も大切なことである。
地上に無尽蔵に降り注ぐエネルギーを何とか活用したい、もったいない!というのは人として当然の感情ではあるが。


・地図もウソをつく(文春新書、竹内正宏)

でた!俺の大好きな「ウソ本」である。もうタイトルだけみて借りてきた。
ところでおれはiphoneで使うアプリの中で、″マップ″が一番のお気に入りである。これが欲しくてiphoneを買ったと言ってもいいくらいである。この道はどこまで続いているのか、あそこに見える建物は一体なんなのか、どうしてこんな地形になっているのか。別にマニアではない俺ですら、地図をみていると色々なことが見えてきて面白い。しかもそれを外で歩きながら見れて、方位もわかる。詳しく知りたかったらその場でググるスマホのマップ機能は本当に楽しい。
ios6になって、そのマップアプリがクソ化したそうだが、誠に慚愧に堪えない。Googleからマップアプリがリリースされるまで、アップデートは控えることにしている。