読書メモ
しばらく読書メモを書くのをサボっていた。こういうのは継続こそ力なりである。
タイトルからしてもっと攻撃的で危険な内容を期待していたのだが、中身はいたって冷静な分析で占められている。そういや、守るためであって攻めの戦略とは確かにどこにも書いてないな。
実際に外交の舞台で活動している人の視点からの生々しい記述はなかなかに新鮮なものである。とかく外交というと海外にばかり目を向けてしまいがちだが、外交問題とはとりもなおさず国内問題の反映であるのだなぁと思った。
放射線の専門家による初心者向けの解説書。QA形式でわかりやすく編集してはあるものの、やはり内容自体はどうしても難しく、なかなかついていけない部分もあった。
放射能の問題で一番こまるのが、その強さや量を示す単位がいろいろあって意味の違いがわかりにくいところ。何しろこの本に紹介されているだけでこんなにあるのだ。
説明を読んでもさっぱりわからん上に、同じ単位表記で意味が違うとかもう無理。
はああ。もっと頑張らないとねぇ。
・メディア・バイアス〜あやしい健康情報とニセ科学(光文社新書、松永和紀)
「発掘!あるある」をはじめとしたテレビメディアなどが垂れ流す誤った情報、偏った情報の事例をあげ、なぜそのような変更(というか捏造)が発生してしまうかについて語っている。
事例のいくつかについては聞いたことがあるものだが(「納豆で血液サラサラ」説については、残念ながら我が親戚もコロリとやられてしまった)、こうしてみるとあらためて酷いものだと思わされる。
しかもこうした捏造・虚偽・偏向が発生する原因は、テレビ等マスメディアのビジネスモデルに深くかかわるものであって、そう簡単に解消できそうな見込みはない。
したがってとりあえずは規制や罰則を強化するしか対策はないと思われる。今回そういう本が読みたくて探していたのだが、メディア規制に関する本というのは図書館ではなかなか見つからなくて困っている。
とりあえず、筆者が掲げる「科学報道を見破る十か条」をここに転記してみよう。
1.懐疑主義を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する
2.「○○を食べれば…」というような単純な情報は排除する
3.「危険」「効く」など極端な情報は、まず警戒する
4.その情報がだれを利するか、考える
5.体験談、感情的な訴えには冷静に対処する
6.発表された「場」に注目する。学術論文ならば、信頼性は比較的高い
7.問題にされている「量」に注目する
8.問題にされている事象が発生する条件、特に人に当てはまるのかを考える
9.他のものと比較する目を持つ
10.新しい情報に応じて柔軟に考えを変えてゆく