読書メモ

・高速道路の謎〜雑学から知る日本の道路事情(扶桑社新書、清水草一)

鉄道マニアやカーマニアはわかるが、道路フェチというものもいるもんだな、と思う。筆者は車業界で活動するジャーナリストということだが、よほど道そのものが好きでなければ書ける本ではない。

文中には「ジャンクションマニア」なるカテゴリも登場する。これは俺も少しわかる。立体的で巨大で重層的、あんな重いものがどうして支えられているのか不思議なほどの浮遊感、無機質で幾何学的だけど、なんとなく有機的な生命すら感じさせる造形、ジャンクションには確かに人を惹きつける何かがある。

この本は渋滞が発生するメカニズムからそれを解消するための様々な工夫、各国の道路事情の違いなどを、筆者自身が国内のみならず世界中の高速道路を走り回った経験から面白おかしく綴っている。
なるほど、道路というものも突き詰めてよく調べてみると、なかなかドラマやロマンに溢れた魅力的な建造物であるのだなぁと気づかされるわけである。
後段では政権交代前の民主党・馬淵氏が、高速無料化について朗々と夢を語っている。いや、騙っている
筆者は割と批判的に彼の発言をとらえているが、こんな風にバラ色の未来をかたられたら、まあ騙されちゃうよなぁ。2009年はそんな年だった。