読書メモ

・本当は嘘つきな統計数字(幻冬舎新書門倉貴史

ああ。また「ウソ本」を借りてきてしまった。
内容はどうということはない。統計数字やグラフを見て、見た目のイメージからつい誤った印象を持ってしまったり、意図的にそれを操作されてしまう例についていろいろ例示している。日本政府の債務問題についてもちょっと触れている。数字が大きいからといって財政破綻するわけじゃない、中身を良く見なさいと指摘しているあたりはわりとまともだ
ところでこの著者、俺が大嫌いなテレビ番組によく出演しているタレント評論家なんだということをカミさんから後で聞いた。
まだ読んでる途中だったのだが、一気に残りを読む気が失せてしまった


ヒトラーケインズ−いかに大恐慌を克服するか(祥伝社新書、武田知弘)

先日借りたヒトラーの経済政策」の続編ともいうべき、同著者の本だ。文章がうまいのか、題材が良いせいなのかわからないが、この人の本は読みやすくて面白い。
こっちの本では、同時代に生きた経済学者と独裁者の、立場は違いながらも共通する経済思想をもつ2人の比較を通じて、ヒトラーナチスが経済政策においてどのようなことを実行していったのかを明らかにしている。
また現在の日本の政治状況も踏まえ、今何をなすべきかを歴史から学ぶべきと唱えている。さすがにケインズの原著まで読む気にはならないが、いわゆるケインズ主義的経済政策について、俄然興味がわいてきた。


高橋是清−随想録(本の森、上塚司;聞き書き

そんな流れでつい借りてきてしまった次第である。以下はこれから読む本。
最近よくブログなどをよくチェックしている経済評論家、三橋貴明氏が「コレキヨの恋文」という経済小説を出版し、そっち方面にはなかなか話題になっているようだ。
俺も気になって書店で手にとってみた。パラパラとめくるにさほど面白そうに思わなかったので買わなかったのだが、高橋是清については上記のケインズブームのせいもあって、ちゃんと知っておきたいなあと思っていた。
ただ、図書館でみつけたコレキヨ本がこれくらいしかなかったので、やむを得ず借りた、というに近い。なんせハードカバーで分厚くて重いし、随想録だから面白おかしく綺麗にまとまっているわけでもない。コレキヨ入門書としては不向きだとは思う。
GW中に読めるかどうかだが、一旦返してもうすこし易しい本で基礎知識をつけてから、あらためて読んだほうがいいかもしれない。


・デフレはなぜ怖いのか(文春文庫、原田泰)

こんな本ばかり読んでいると三橋信者だと思われてしまうかもしれないが、まあ今のところは否定はしない。
この本は何年か前にも読んだことがあるような気がするのだが、思い出せない。やはり読書記録はこういう時に必要になる。まあ、内容を忘れてるんならまた読めばいいだけのことだが。
目次だけを見たところ、興味があるのは、終章にある「なぜ人々はデフレを終わらせようとしないのか」という点。まったく、デフレは良くないのはおおむねみんなわかってるだろうに、なぜこれを終わらせないんだよ?そこが一番不思議で、実態を知りたいところだ。どういう論理展開でこの終章に持ち込むのか、作者の力量が問われるところ。なんちて。


・これからのエネルギーのはなし(日本能率協会マネジメントセンター、茂木源人)

都知事尖閣購入プランを表明し、続いて沖ノ鳥島を基点とする大陸棚が国連に認定されるにおよび、「資源小国」と言われ(洗脳され?)続けてきたわが国が、海洋資源の開発などにより、俄かに「資源大国」になれるかも!?なんて言説が飛び交うようになり、俺もちょっとわくわくしている。
というわけで、まずはメタンハイドレートの本でも借りてみようかしらんと探してみたが、めぼしいものはみな貸し出し中だった。あきらめて帰ろうとしたところ、新刊書棚にポンとこの本が置いてあり、「おお、探してたのはまさにこれだよ!」と迷わず借りてきてしまった。
3冊も一度に読めるとはとても思えないのだが、まあGWだし、何とかなるだろう。
図版もおおく、初心者向けにわかりやすく書いてあるようなので、楽しく読めそうだ。