「ここ数年で最も賢明なリーダー」
ここ数年で最も賢明なリーダー…米紙が首相評価
【ワシントン=中島健太郎】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は19日、野田首相へのインタビューをもとに「日本は難しい決断ができるか」と題する記事を掲載した。
記事では、首相が取り組んでいる四つの「困難な問題」として、消費税率引き上げ、原発再稼働、沖縄の米軍基地再編問題、環太平洋経済連携協定(TPP)参加を挙げた。
首相はこれらに同時に答えを出そうとしているとし、「ここ数年で最も賢明なリーダー」と評価している。
首相の政治手法については「伝統的な日本のリーダーがとってきた地味なものだ」としつつも、困難な政策課題を克服できれば「他国の見本となるリーダーになる」と持ち上げている。その一方で、「派手なだけで問題解決能力がなかった首相」ばかりが続き、「米政府内では野田首相をどこまで支えるかという方針が定まっていない」という見方も紹介している。
(2012年4月20日22時46分 読売新聞)
数日前、こんな記事が出ていた。
なんだWP、民主党にいくらもらったんだ?と別に気にも留めなかったのだが、ネットでいろいろな記事をあさっていると、どうやらそういうことでもないようだ。
英語なんて見るだけでも頭痛がしてくるのだが、親切にも概要を訳している方のブログがあった。【経済ニュースゼミ ワシントンポストは本当に野田総理を評価したのか?】
これによると、どうもワシントンポストは野田氏が「賢明なリーダー」だなんて一言も書いてない!ようである。
原文記事中、野田氏に対する評価といえるのは、"But after two relatively flamboyant but utterly clueless premiers, Noda’s solidity is welcome."の一文だけだ。
「しかし、2人の比較的派手だがボンクラな首相の後で、野田の堅実さは歓迎される」
utterly cluelessを読売は問題解決能力がないと優しく訳しているが、英和辞書によれば「全くの無知、どうしようもない」と痛烈な表現とすべきところ。ようするに前2人がひどすぎたのでちょっとはマシ、それも米国にとっては、と言ってるだけのようだ。
この一文をもって「ここ数年で最も賢明なリーダー」とするのは、いささか誤訳、というか超訳!?に属する勇み足とみなすべきだろう。
エキサイト翻訳に頼りながら全体を概観してみると、「アメリカ同様、困難な問題を抱えつつさらに逆風に向かおうとする野田氏が、いかにして国民を説得し、政策を実現するか。もしそれができれば他国にとっても注目に値する」ということを書いている記事らしい、ということがわかった。
別に褒めているんじゃなくて、アメリカにとって都合のいい政策をやろうとしている野田氏に圧力をかけている、と見たほうが正しいんじゃないかなぁ?
読売め、どうせ英語なんて読めねえだろうと思って高をくくって適当に書いてるな。まあ、読めないけど。俺にはエキサイト翻訳がついている。
不思議なのは、読売だけでなく、日経もまったく同じ超訳を掲載していることだ。普通に読んだらなかなかそうはなるまいに、2紙の表現が同じとはこれいかに?このへんの事情はよくわからないが。。
ともかく、情報はできるだけソースをあたらねばならないね、というのは良くわかった。
新聞、意味ねーじゃん。
都合よくねじまげて書かれるぐらいだったら、最初から何も書かんでほしいわ。ネタとしては使えるけど。