そういえば

そうだ、日本の森をなんとかしなければ。


突然思い出した。

去年の今頃、森だの林業だのエコだのというテーマにハマり、いても立ってもいられなくなって図書館の関連書籍を読みまくり、だいたい目ぼしいものは読み尽くしてしまったところでようやく熱が冷め、興味は次のテーマに移っていた。

それがどれ程の知層になったのか定かではないが、ともかくそれ以来、街路樹だの林だのを見れば「あれはケヤキか。もう少し太れば柱につかえるんじゃないか」とか、「ユリノキって広葉樹にしちゃまっすぐ伸びるなあ。強度や耐朽性はどうなんだろう」とか、「この桜で家具を作ったら綺麗な木目が取れそうだなぁ」とか、木とみれば材木としか見えないバチあたり人間になってしまったのは確かだ。

偏った本の読み方をすると、かようにゆがんだ知層が形作られるという好例である。ま、別に悪いことじゃないけどね。

その後、いろいろ興味の変遷をたどってまた森の問題に戻ってきたわけである。

それにしても、去年あれほど読み漁ったはずの本の内容がさっぱり思い出せない。いくら娯楽目的で読んでいたとはいえ、さすがに情けない。ちっ、もう一度やり直しかぁ。

で、借りてきたのがこの本だ。

・森林からのニッポン再生(田中淳夫、平凡社新書
木を切るのは自然破壊だ、とか人工林の機能は天然林に劣るとか、森や自然に対するステレオタイプな批判について、そうした見方は一面的なものであることを一つ一つ述べていく。去年読んだはずなのに、「へぇ!そうなのかー」「え?どうしてだろう」とやけに新鮮な気持ちで読めてしまった。ううむ。
でもこの本は、これから林業や自然について考える上でのスタートライン的ないちづけなのだろう、いくつか問題点を提示されるものの、あまり解決策や方向性は語られていないので、読んでて不安になる。あ、少しは自分で考えなさいという事か。うーん。いまそれはちょっと。

もう一つ勢いで借りた本を今読んでいる。

・ビジネスマンのためのエコロジー基礎講座−森林入門(豊島襄、八坂書房

森がもつ機能の幅広さや凄さについて教えてくれる入門書だ。田中氏の本と内容が被る部分も当然多く、それゆえ頭にするっと入ってくる。そのまま抜けていかなければいいのだが。

そんなわけで、日本の森林がおかれた状況に危機を感じた俺は、なんかすることはないかとさまよったあげく、とりあえず国産杉の割り箸を買ってきて、「木使い運動」に参加することにした。

これでとりあえず日本の森は大丈夫だ。溜飲を下げた俺は、もう次のテーマが気になってしょうがない。今回の森ブームは短かったなぁ。

一応、読みかけの本は全部読んでからにするか。