アベノミクスの成果?? その6

さいご。

■女性の活躍

・女性の就業者数が約80万人増
 2600万人(2012年12月)→2735万人(2014年9月)


「その1」で雇用100万人増、という項目を検証したが、そのうち8割近くが女性だったということが明らかになっている。

つまり同じ数字を別の言い方に変えただけである。こういうのは粉飾・水増しのたぐいととられても仕方あるまい。ほかにもっと誇ることはなかったのか?

まあいい。ここではその女性の雇用についてもう少し見てみよう。

「その1」でも使ったグラフを再掲する。

やはり問題とすべきは正規雇用・非正規雇用の点だと思うのだが、上記の4半期ごとのデータによると、2012年10-12月期の女性の正規雇用は1047万人、2014年7-9月期は1038万人なので、約10万人減少している。一方で正規雇用は約60万人増である。

では、この時期に非正規として就職する女性とはどのような層なのか、とりあえず年齢層別のグラフでみてみよう。

傾きがわかりやすいように縦長にしたが、他意はないのでご容赦ねがいたい。
これをみると、34歳以下の若年層はやや減、35歳以上が増えている。自民党政権が始まる数年前からこの傾向にあるようだ。


一般的には、35歳以上の女性というと既婚女性である確率が高いと思われる。(2010年国勢調査では、35〜39歳の女性未婚率は23.1%)
この時期に非正規として働き始めた女性のうち、有配偶者がどれくらいの割合なのかは、もう少し別のデータと合わせてみないとわからないので、あくまで仮定の話だが。

男性の正規雇用が減っている半面で、中高年女性の非正規が増えているということは、「輝き」を求めているというよりは、生活費の足しにするためではないか、と考えるのが普通だろう。


24歳以下の若い女性の非正規がやや減っているのは肯定的に見ることもできるが、この年齢層は正規雇用も減少しているので、判断しずらい。

しかし、65歳以上の女性の非正規がかなり急に増えているというのはちょっと驚きである。
2012年10-12月期と2014年7-9月期で比較すると、この年齢層が+19万人と増加数トップなのである。これは何を意味するのだろう?

別に非正規雇用に輝きがないともいわんし、女性の正規雇用が増えればいいのかというとそれもなかなか難しいところである。なぜなら、GDPという全体のパイが増えないなかで、女性の正規雇用が増えるということは、その分男性の正規雇用の機会が奪われてしまう可能性が高いからだ。(事実、そうなっている)


女性の雇用については文化・慣習的なものもあるし、数よりも質という部分もあるので、なかなか評価が難しい。少なくとも、女性の雇用が100万人増えた!わーい!という問題ではないのではと思う。


どちらかというと、別に女性が会社で働かなくても主婦として十分やっていける社会のほうが、経済的な豊かさという点では勝っているように思う。
ま、この辺は価値観もあるので少々つっこみがたいところではある。