アベノミクスの成果?? その3
つぎ。
「企業」のところの「倒産件数」を見てみよう。
■企業
・企業の倒産件数は、24年ぶりの低水準
−政権交代前と比較して、約20%減
何度も言うが、こういう数字を挙げるときは元ネタのデータをきちんと示してもらいたい。
いちいちこんなものを検証するヒマ人がいると思ってないとしたら、自民党も随分と国民を舐めてくれたものである。
しょうがないからググってみたところ、それらしい数字が「東京商工リサーチ」の全国企業倒産状況というのがあった。
最新の数字は2013年になっているが、この年の倒産件数は10,855件。
政権交代前の2011年が12,734件だから、だいたい20%減ということでこれは間違いないだろう。
これに関しては基本的には異論はない。いいことである。
ただ、「賃金」のところでも書いたが、2013年はアベノミクス初年度であり、金融緩和と財政出動が効果を発揮して経済がプラスに向かいはじめた時期である。
しかし2014年4月からの消費税増税によって、GDPは2四半期連続でマイナスを記録し、完全にリセッション(景気後退)が始まっている。
※東京商工リサーチ、全国企業倒産状況および内閣府GDP統計(実質年率成長率)より作図
上図のように、実質GDP成長率と倒産件数は弱い負の相関関係が見て取れる。
2013年のアベノミクス初年度はおおむねうまくいっていたが、年率成長率がマイナス化する恐れもある消費税増税後の動きがどうなるかは全くわからないし、よほど政府が積極策をうたない限り、倒産件数の減少トレンドは反転に向かうのではと危惧する。
2013年と2014年、安倍政権の評価は180度変わってしまう。ここが判断を難しくするところだ。