棒ノ峰ハイキング
9月の第2週に夏休みをとって、ハワイまでいってきたのだが、帰ってきて疲れを癒すまもなく、9/15にハイキングにでかけることにした。
今回のターゲットは、埼玉県飯能市にある「棒ノ峰(棒ノ折山)」、969mである。
また西武線のハイキングマップから選んだのだが、難易度は「健脚レベル」とあり、登山初心者の俺にとってはなかなか野心的な選択である。後でそれを後悔することになるのだが。。
天気はあいにくの曇り、とはいえカンカン照りの中を汗だくになって登るのも消耗するので、ちょっと涼しいくらいが丁度よかろう。
電車をとっとことっとこ下って、西武線の東飯能駅からさらに30分ほどバスに揺られた末、「名栗湖川又バス停」に到着する。
みるからにヤバい感じのド田舎である。
入間川沿いのこのあたりは、川遊びのできる場所が多くしつらえてあり、車で来た家族連れなどが沢山来ていた。
さて、バス停からさらに20分ほどゆるやかな道を進むと、名栗湖をたたえる「有馬ダム」に至る。
霞んだ山並みが湖面に映えて、なかなか神秘的な風景である。
ダムの先がいよいよ登山道入り口。
登山届けをしっかり書いて、いざ分け入らん!
登りはじめると途端に獣道のような登山道になる。
このあたりはやはりブランド杉「西川材」の産地なので、間伐などの手入れもきちんとされており、杉林の中でも比較的明るい。
白谷沢の流れる谷筋を登る。ずうっとこんな小さな滝が連続する川をまたいだり飛び越えたりしながら登っていく。
「牢門」と呼ばれる大岩に挟まれた間の道を伝ってゆく。谷筋なので薄暗いが、巨岩の景観や美しい滝が散在する、変化にとんだ登山道はなかなか楽しい。
鎖場だっ!こいつを伝って5mほどの高さの岩をよじ登る。
そろそろ足が疲れてきたので、腕を使って登れるのはむしろ助かる。
白谷沢をようやく上りきり、林道とぶつかったところでちょっとした休憩スペースがあったので一休み。ここから先は険しさをさらに増してゆく。
12時頃から上り始めて、ここでおよそ1時間半。既に我が足は悲鳴を上げつつあるのであった。
休憩所からの登りは木の階段が備えてあったりするが、もはや足を持ち上げるのもキツイ状況。登山者用に下げてあったロープに蜘蛛の糸のごとくすがりつきながら、何とか体を這い上がらせる。
俺、ちゃんと行って帰ってこれるのかな。。。
チェックポイント「岩茸石」に到着。尾根にニョッキリ生えた大岩だ。
俺がゼエハア言いながら登ってきたのに、子供達ときたらキャッキャワイワイ言いながら石に登って遊んでるかと思うと、風のように走って頂上目指して登っていきやがった。。
おのれ、負けるか!うさぎと亀の物語を味わわせてやるわい!
岩に登るとこんな感じ。
さらに登る。石ゴロゴロ、木の根ガサガサの険しい道。もう、アカンかもしれん。。。
ちなみにこの尾根は埼玉と東京の県境にあって、埼玉側(北)はカエデなどの広葉樹、東京側は杉・ヒノキと全くことなる植生を左右にみることができる。植林の方針の違いだろうか。
ラストスパートだ!もはや這うようにして上がるほかない。
着いたぞー!ヤッホー!
ここまでの険しい山道とはうってかわって、頂上は広いスペースがあって東屋もあり、明るい雰囲気である。
晴れていれば榛名山まで見えるということだが、曇っているので景観なし。こればっかりはしゃーない。
登りはじめから2時間半。風は涼しいが、すっかり汗だくになってしまった。
持参したおにぎりで遅めの昼食をとり、しばし体を休める。
しかし、もう9月なので日が落ちるのも早い。あまりノンビリはしていられないので、重い体にムチをうって下山にかかる。
登りもきつかったが、一番キツいのは間違いなく下りである。
帰りのルートはやや地味ながら、明るい尾根筋(滝の平尾根)ルートを選択する。この道なら暗くなるまでもうしばらく保つだろう。
一歩一歩降りてゆくと太ももがガクガクして体を支えられないので、エイヤっとばかりに上着を脱ぎ捨て、一気に坂道を駆け下りる!
木の根やとがった石がゴロゴロしているので、ちょっと踏み間違えると大怪我しかねないが、もうこうするしかないのである。それほどまでに足がパンパンでやばかった。
尾根から見下ろすと、先ほどの有間ダム(名栗湖)が見える。てか、まだ全然先じゃん!と途方に暮れる景色でもある。
果てしなく続く下山道。階段のところは、後ろ向きに四つんばいになって下りていった。かっこ悪いが仕方ない。他に誰もいなかったのが幸い。
た、助かった。。。頂上からふもとまでは約1時間半、転がるように降りてきたのでさすがに早かったが、もう足はすっかり限界を超えていた。さすがは「健脚コース」、俺もまだまだ修行が足りんのう。
ハイキングの後のお楽しみ。ふもとにある温泉施設「さわらびの湯」で体を癒す。
地元の西川材を使ったロッジ風の内装、程よい湯加減の天然温泉でとてもいい。
ここは気に入った。
この一杯が何度でも俺を蘇らせる。。。
* * *
そしてこの後三日間、両太ももが筋肉痛でパンパンになってしまい、階段の上り下りはもちろん、普通に歩くことすらままならぬ惨めな状況となってしまったのである。
ちょっと無茶しすぎたな。