なんという風見鶏

はあ。。俺、この人のことあんまり書きたくはないんだよね。
嫌い嫌いも好きのうち、っていわれるのイヤだし、気にしてウォッチして粘着するストーカーみたいなのもみっともないし。
思いっきりつっこみたくなるのを、5回に4回くらいは我慢しているつもりなんだけどなぁ。

あ、橋下さんのことです。

橋下市長、停電リスクを考慮 再稼働容認で

 橋下徹大阪市長は4日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を事実上容認した自身の判断について「原発の安全性と停電で生じるリスクを、てんびんにかけた。批判は真摯に受け止める」と説明した。

 再稼働容認への相次ぐ批判に関しては「無責任な意見が多すぎる。安全第一は分かりきっているが、関西に住んでいないコメンテーターは原発の安全だけしか考えていない」と反論した。市役所で記者団の質問に答えた。

2012/06/04 12:34 【共同通信

もういろんな人に言われてますけど、俺にも言わせてください。
「無責任な発言で原発再稼動をこじらせてきたのは、あなたですよ」

やれやれだ。まあこうするほかないし、いずれこうなるだろうとは思ったけれど、彼の職務は市民の生活に直結するだけに、この人が自治体のトップ、ってほんと大変だよなぁ。


ただ、彼がやはりタダモノではない、と思わせるのは、自分(とその「ブレーン」と呼ばれる人たち)が散々ひっかきまわしてきた挙句、転向するやすかさず返す刀で稼動反対派を「無責任」とばっさり一刀両断、これを機にさらに攻撃に転ずる姿勢を見せるところ。

いやはや、まったく実に鮮やかな風見鶏、風が変わったと思えばくるりと向きを変え、決して自分に風圧がかかることはない。見事というほかない。いや、褒めてるんだ本当に。すごいな。

参考までに、ここまでの原発再稼動に関する彼らの動きをまとめてみる。

原発止まって明日あさって死ぬわけではない」改めて大飯再稼働に反対

 1日の大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議で、橋下徹市長は大飯原発3、4号機の再稼働について報道陣に対し「ストレステストの1次評価だけでは全く無理。電力がどれだけ必要なのか、足りていないのかがはっきりしていない」と述べ、現状では反対する意向を改めて示した。

 橋下市長は「(関電管内の)原発が止まっている状況でも、明日あさって関西の府県民が全員死ぬわけではない。ピーク時にちょっと我慢して、乗り越えていけなければならない」と語った。
【2012.4.2 10:34 MSN産経ニュース

この時点で明日とか明後日くらいしか考えない発言で、再稼動に反対の意思を表明。

原発100キロ圏内での安全協定を 再稼働で8条件を要求

 大阪府市統合本部のエネルギー戦略会議は10日、政府が再稼働の手続きを進める関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を念頭に、関電や政府に求める原発再稼働に関する8条件」案をまとめた。関電の筆頭株主大阪市も含め、同原発から100キロ圏内の自治体と安全協定を結ぶことなどを盛り込んでいるのが特徴。
【2012.4.10 11:49 MSN産経ニュース

そしてこんな要求で再稼動のハードルをあげる。後に「条件」は「提案」に言葉をゆるめたようだが、どう考えても夏までに実行するのは無理な条件をあげている時点で、やはり明日とか明後日くらいしか考えていないことが明らかになる。

橋下市長、ついに“野田つぶし”宣言!民主政権は風前の灯か

 大阪市橋下徹市長が13日、「民主党政権打倒」を明言した。政府が関西電力大飯原発の再稼働に向け、福井県への協力要請を決めたことに反発し、「絶対に許してはいけない。国民をバカにしている。民主党政権を倒すしかない。次の選挙で民主党政権には代わってもらう」と言い切ったのだ。野田佳彦首相が最も恐れていた事態が、現実のものとなりそうだ。
【2012.04.14 zakzak

民主が再稼動方針を進めようとするのをみて、これは絶好のチャンスとみたか、打倒民主政権を唱えて政権獲得への歩を進めようとする。これに限った話ではないが、国政を語る前に自治体首長であるという自分の本分をどうもこの人は忘れすぎである。

「一度経験するのも必要」電力使用制限令で橋下市長

 橋下徹大阪市長は14日、関西電力管内で今夏、厳しい電力不足が想定されていることに絡み「次世代のためにも電力使用制限令を一度認識、経験するのも必要かなと思う」と述べ、政府による制限令発動を容認する考えを示した。

 理由について「電力や、需給関係がどういうものか、僕らの世代が身に染みて感じ、新しい電力供給態勢を考える上でも必要だ」と説明。「歯を食いしばって電力制限令などを我慢してもいいのではないか」と繰り返し強調した。
【2012.5.14 19:15 MSN産経ニュース

いよいよ電力ヤバイらしい、というのがわかってくると、無茶苦茶な精神論に走り、ついに狂ったか?と周囲を心配させる。いや、このときほんとに発狂してくれてたらまだよかったのだが。。

節電対策「関西広域連合で対処すべき」 ただ、全会一致がネック…

 関西電力管内で想定される今夏の電力不足について、橋下徹大阪市長は17日の定例会見で「最終的には関西全体の方針を関西広域連合でまとめ、府県民全員で対処しないと乗り切れない」と述べ、広域連合を挙げて対策を講じるべきとの見解を示した。
【2012.5.17 21:10 MSN産経ニュース

さすがに風当たりを感じてきたのか、こんどは自分が駄々こねたせいで電力不足に陥りそうなのを、周辺県を巻き込んでなんとか逃れようとする。四国、中国電力などからの電力融通も申し入れたが、各電力会社もそれぞれに厳しく、拒否されたようだ。



このころから橋下氏の意見は再稼動容認に傾いてきたようである。民主が再稼動をゴリ押ししてくるのに対し反旗を翻し、権力に立ち向かうヒーローとしてさらに人気を集めようというプランだったのかもしれないが、肝心の民主が一向に物事を決めようとしない。
責任回避(逃避)能力でいえば、民主のほうが一枚上手だったということか。

振り上げた拳のやり場にこまった橋下氏は、このまま駄々をこね続けると維新の支持率にかかわることに危機感を抱いたのだろう、ようやく冒頭に上げたような再稼動容認方針を表明するにいたった。しかしタダでは転ばないのが彼のすごいところだ。
この見事な風見鶏ターン、他の政治家も真似してみてはいかがか。


この問題、何だか醜い泥仕合みたいだなぁぐらいに思ってあまり注目はしていなかったのだが、今過去記事をいろいろ漁ってみると、やはり泥仕合であった。だが不思議なのは、橋下氏の対戦相手は誰もいなかったことである。橋下さんは一体何と闘っていたのだろうか?


まあ何でもいいんですけどね、関西には親戚もおりますゆえ、この夏の電気くらいは安心して使えるようにしてつかぁさい。

はあ。。結局ストーカーみたいになっちゃったじゃないか。
俺、本当は彼のこと大好きなのかなぁ?