テレ朝の「橋下ゴリ推し」が酷い。

朝出勤前の支度中、時計代わりにテレ朝のやじうまテレビをつけている。

見ているわけではないので内容は別にどうでもいいのだが、最近ちょっと気になることがある。

番組中の橋下(維新の会)アゲが酷い。

ここのところ、ほとんど毎日橋下氏の映像が流れているようである。さらにはスタジオに彼のブレーンである中田前横浜市長(開港150年記念行事で大コケした人と記憶している)も連日出演し、もっともらしい顔で橋下氏の発言を補足している(たぶん。ちゃんと見てないので何を喋っているかはわからない。)

橋下氏はさすがにテレビ人らしく、過激な発言で話題を集めるのが上手いとは思うが、それにしても毎日である。
国会議員ですらないたかだか地方の一政治団体に対し、これほどの熱烈な取り上げっぷりは、政治的に中立たるべきTVメディアの立場を越えている。っていうか、完全に法律違反である。

以前も引用した放送法の条文を再掲する。

放送法第四条  放送事業者は、(略)放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

番組の中では、維新に対する批判的意見も取り上げているのかもしれない。しかしそれに対してはスタジオにいる中田氏が回答し、結局番組の結論としては「維新推し」で終わってしまう。

「維新」にとって格好の政治宣伝の場を提供しているに等しい。

「維新推し」コーナーは、概ね5〜10分くらいやっているようだ。もしこれがCM枠だとすると、どれくらいの費用になるか考えてみた。

CM広告料は枠によっていろいろで、一概に言えないが、仮に15秒50万として計算してみると、

15秒×50万×5分=1000万

これを10日続ければ、軽く1億である。さして地盤も強力な支援組織もない維新にとっては、ただで思う存分宣伝してもらえて、しかも全国ネットである。ありがたくて涙が出るに違いない。さらに、CM制作費、タレント出演料などもTV側が持っていると考えれば、もはや完全なスポンサーと言っていい。

普段あまりテレビは見ないし、やじうま以外でも似たようなことをやっているのかどうかは知らないが、この状況を見てTVが公正中立な立場をとっているとはとても思えない。

大阪市長選の時は、テレビをはじめとするマスメディアが橋下氏に対するネガティブキャンペーンをはり、それが却ってメディアに不信感を持つ層の共感を得たのではなかったかと思う(とはいえ、当時のメディアが本当にネガキャンしていたのかどうかは見ていないので知らないが)。

それがいまやメディアは完全に橋下・維新の会と結託し、その広告塔となってゴリ推しを展開している。あきらかに来るべき総選挙に向けてのキャンペーン工作である。

これだけ強力なプッシュがあれば、マック赤坂又吉イエスだってトップ当選できるに違いない。

おそらくは橋下氏がTPP参加推進をあらためて表明したことも無関係ではないだろう。民主はどうせ次の選挙で惨敗は目に見えている。国会議員の数でいえばTPP反対・慎重派は決して少なくなく、民主が政権から降りればTPP参加の道が閉ざされる可能性は高い。

そこで民主の後釜としてTV映りの良い橋下氏を祭り上げ、選挙までに無党派をはじめとした十分な支持基盤をつくれば、民主亡き後もTPP参加の目を残すことができるかもしれない。そんな計算が働いてはいないか。

メディアは自分たちの政治的目標を実現させる駒として、民主から維新の会へと乗り換えをしようとしているのかもしれない。

今後、維新の会への支持がある程度集まり、イケると判断した頃には、2009年選挙の時とは全く逆の、民主バッシングが始まるだろう。そして解散総選挙に持ち込むのがメディア側の狙いと見る。
まさか維新の会だけで政権は取れないとおもうが、国会にはみんなの党をはじめTPP推進を掲げる新自由主義陣営は他にもある。みんなの党も、批判を浴びにくい第三極としての立場を保っており、メディアの後押しがあれば票を伸ばす可能性がある。

このように法を犯してまで不当に民意を操作し、政治に影響を及ぼすマスメディアは、断固解体されなくてはならない。しかもその目的とするところは日本を貶め、破壊し、売国、亡国を行うことだ。

昔は、テレビは家庭の娯楽の中心であり、一家団欒の潤滑油でもあった。それが今や我々国民にとって最も危険な有害物と化している。テレビがなにかを猛烈に宣伝しまくったら、それは良くないものであると逆判断するのが現在の日本における常識と言っていいだろう。少なくともゴリ推しキャンペーンが終わってから、冷静に判断するのが正しい。

つまり俺が橋下・維新の会を支持しない理由は、「テレビが猛烈プッシュしてるから」の一点だけで、理由としては既に十分なのである。