11/5 TPP反対デモ@有楽町 その2

後半はデモ行進である。

街頭演説会が行われた有楽町駅前から15分ほど歩いた先の、日比谷公園・霞門付近へ各自集合することとなった。

道がわからずウロウロしていると、大きな国旗を抱えた小グループが見えた。いやぁ、わかりやすくて助かるよ。
俺は何気ないフリをして小グループの後についていった。

集合場所につくと、公園入り口から続く通路に既に大勢の参加者が5列縦隊で整列していた。うむ、なかなかの数のようだ。

全体数はよくわからないが、一説には2000人とか。ともかく、これを2、300人程度のグループに分けて少しずつ公園から進発させているようだ。前方では既にシュプレヒコールが聞こえてくるが、俺は最後尾のグループに入ったので、動き出すまでずいぶんと時間がかかった。


きちんとした身なりの人物がスタッフとしていろいろ案内している。デモの先導もグループごとに街宣車がついているようだ。先日来参加してきた草の根的なデモとは違って、やはりそれなりの動員がかかっている。

聞くと、霞ヶ関の官庁街を通って国会議事堂方面へ向かうんだそうだ。やれやれ、またあの人っ子一人いない寂しい道をむなしく歩くのか、とちょっと欝が入った。


ともかく俺の隊列も動き出した。

最初は威勢のよいシュプレヒコールがかかっていたが、ほどなくしてコーラーが交代。ここで思わず「うっ」となってしまった。

こ、この妙な節回しの気持ち悪いコールは。。そう、10月30日の渋谷デモの際に辟易させられたオバちゃんの声だ。しまった、ハズレ引いちまったか。。

 日っ本っを売っるっなー♪
 仲っ間っを売っるっなー♪
 奴っ隷っじゃっねーぞー♪
 だっまされねーっぞー♪
 イェーイェー♪

うーん。いや、いいんすけどね、ちょっと無理だわそれ。どこのラヴ&ピースなロックンローラーさんだか知らんけども。
まともに唱和しているのは彼女の周囲のグループだけ、後ろのほうはドン引きという状態で、俺もつい隣にいた家族連れの方と目を合わせて苦笑いをしてしまった。一旦離脱して他のグループに乗り換えようかとさえ思った。

寒い空気を見かねたのか、傍にいたスタッフらしき男性が「コール交代しますね」と前に走っていった。ここでまたコーラーが男性に交代。ふうぅ。


隊列は寂しいが綺麗な通りを粛々と歩いてゆく。一応官庁街ですけどね、誰もいませんし。前方のグループが詰まっているのだろう、度々止まってしばらく待たされた。


しばらく行くと国会議事堂が見えてくる。久しぶりだな、こんな近くで見るのは。歴史的建築物だがあまり優秀なデザインとは言えない。

ここでデモ隊のプラカードや国旗を下げるように警察から指示が出る。「ここから先は請願ですから」とのことだ。請願?

どうやら国民が国会に対し直接意見を述べることができる手続きのことのようだ。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/seigan.html
デモ活動と請願を区別するために示威行為的なものを控えるということだろうか。よくわからないが、ひとつ勉強にはなった。


角をぐるっとまわって議事堂裏手に回る。マスゴミさんがカメラを回している。まあ、思えば彼らも気の毒な人たちかも知れない。

議事堂裏にある建物の入り口で、議員バッヂをつけた数名が「請願受付」のブースを作って待っていた。ああ、そういうセレモニーをするわけね。

ここで隊列の代表が請願を読み上げ、一緒にシュプレヒコールを挙げる。参加者たちも議員に向かってやんやと思いの丈をぶちまけている。

こっちには写っていないが、昼間の街宣にも来ていた山田前農水相の姿もあった。民主党TPP反対派の頭目といっていいだろう。ともかく、今はもうこの人の本気度に賭ける他ない。お願いします。


ひとしきり気勢をあげた後、少し進んだところでデモ隊は流れ解散となった。執着地点には何人かの議員が迎えに立っていた。


以上がデモのレポートである。
ただ声をあげるだけのデモと違い、いちおう請願という法的効力のある手続きをとったことにより、これから何らかの動きはあるのだろう。これから委員会で審議に付されるようだ。

今回のデモは周囲に国旗をもっている人もいたので、なんとなく心強かった。渋谷のときはなんだか寂しかったからなぁ。
前にも書いたとおり、思想の左右を越えて合同してデモをするというなかなかない機会であり、いろいろ互いに違和感を感じる部分はあったろうが、これが何かのきっかけになっていくかもしれない(よけいに溝を深めた恐れもあるが。。

ともかく、TPPを完全に闇に葬ってしまうまでは、見えない壁は見ないことにして、互いに頑張るしかないんだろうね。まだ終わったわけではないし、来週からの動きに引き続き注目していきたい。

ただのガス抜きで終わらぬことを祈るばかりだ。