東京駅

10月、創建当時の姿で復元なった、東京駅へ仕事帰りのついでに寄ってみた。
前から気になっていたが、何しろ東京駅なぞめったに用はないので、来る機会がなかったのだ。

さて北口ドーム下に入ると、コリント式風の柱、幾何学的な装飾を組み合わせたルネサンス様式っぽい天井をみあげる。明るい色彩のおかげもあって開放感があり、なかなか立派なものである。


おもてに出てみる。せっかく大正ルネサンス的な姿を取り戻したのに、無機質な金属の屋根と柱が雰囲気をぶち壊しにしている。なぜこのデザインにした?



気を取り直して外観を。

iphoneで撮ったので画質が悪いが、うむ。いいんじゃないかな。ぷっくりしたドームは青みがかかって、赤色のレンガとの対比が映える。
鉄屋根がジャマ。



どこから撮っても無粋な高層ビルが映りこむのが残念。この復元事業にあたっては、東京駅敷地の地上権を周辺へ売り渡すことにより、約500億円の費用を捻出したとかで、これもしょうがないのかもしれない。
でも皇居のお膝元だし、ここにあまり高いビルをボコボコ建てるはどうかという気もしなくはない。



いたるところに案内板が建ててあり、復元事業における「こだわりポイント」を解説してくれているのも心憎い。
番号振ってあちこちにいっぱいたてて、案内板めぐり遊びができるようにしてくれたら、ゲーム感覚で学べていいんじゃないかと思うのだが。



こだわりポイントの例。
外壁レンガの目地の部分だが、普通はモルタルを平らに詰めるだけでいいのに、わざわざカマボコ型に盛っているのだ。縦横の交差部分も一つ一つ、ご丁寧にV字型であわさるようにしている。
純粋に装飾のためだそうなのだが、よく見なきゃ誰も気づかないこんな細かいところにまで、手間とこだわりを注いでいるとは。しかも幅300mにも及ぶ建物全体のレンガにこの小技を施しているという。気の遠くなるような作業だったに違いない。
大正の職人達の熱意、おそるべし。


また昼間にでも見に来て、写真に収めたいと思う。