土下座外交スタート。

12日(土)は渋谷で在特会主催のTPP反対デモに参加してきた。参加者はおよそ200名強といったところらしい。在特会のことはよく知らなかったので、ちょっと不安だったが、当日は実にまっとうなデモ活動を展開していたので安心した。終了後の代表挨拶の内容も当を得たものであった。

ところで、その日の夕方、こんなニュースを目にした。

アメリカやオーストラリアなどTPP交渉に参加する9カ国が出席した首脳会議では、関税の段階的撤廃など協定の大枠について合意したとオバマ大統領が発表しました。野田総理は当初、この首脳会議にオブザーバーとして出席し、交渉参加に向けて日本の立場を説明したい考えでしたが、今回の大詰めの協議には招かれず、厳しい外交交渉の洗礼を浴びる形となりました。

【テレ朝ニュース】
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/211112038.html

まあ、こんなのは行く前からわかってたし、「だからいわんこっちゃない。バーカ」とドジョウ氏を嗤うのは簡単だけど、これが何を意味するか、少し考えてみよう。


大歓迎されるつもりで意気揚々と参加表明をしてみたら、「え、いまさら?別にお呼びでないんすけど」と冷たくあしらわれるおマヌケ極まりない状況ではあるが、ドジョウ氏がこの状況を理解していたのかそうでないかによって、考え方が分かれると思う。


1)本当に知らなかった。交渉に参加できると思ってた。

これはただのバカ。事前に根回ししとくとか、考えられる準備も何もせずに、よっこらせと丸腰で敵地に乗り込んでボコられるパターン。
まあ、大海を知らぬドジョウ氏は仕方ない(なくはないが)として、官僚は何やってんだ、って話しだなぁ。
その程度の情報収集、分析力、交渉力で、各国の利害がガチンコでぶつかりあう国際交渉の場に出たら、骨までしゃぶられることは明らか。TPPの問題を別にしても、これは由々しき問題だ。


2)知ってたけど、何とか入れさせてもらいたい。

こっちはさらにマズい問題。まず国民に「今なら交渉に参加できる」とウソついてたこと。まあ、民主のウソは今に始まったことではないが。。とはいえ、あんまりにもウソつきすぎじゃないかこいつら
そして、すでに手遅れであることを知りながら参加表明をしたということは、タダのお気楽バカではない、確信犯的に国益を損なうことを目的として進めようとしているということだ。

可能性としてはやはりこちらだろうね。ドジョウが手土産に牛肉の輸入制限緩和をもちこんだところからしても明らかだ。タダではアメリカもTPP交渉に参加させてくれないことを知っていたのだろう。こうして交渉に入る前から、「TPP交渉参加の可否」というカードアメリカ側に握られてしまった。おい、アメリカやオバマの好評価を得るためじゃなかったのか?お願いしているのはどっちだ!?

アメリカが座して待っているだけで、アホな日本がほいほいと自分から交渉カードを差し出してくれるのだから、まあ、こんな楽な商売はあるまいよ。


オ:え?交渉参加したいの?でももう決まっちゃってるよ。
野:ええ、そこをなんとか。。これ、つまらぬものですがお収めを。。(牛肉)
オ:(興味なさそうに)ふふん。まあ、これはもらっておこうか。だが、TPPは別問題でござる。
野:ご、ご無体な。。何卒、殿のお力添えを。。
オ:(キラリ)うむ、まあ考えてやってもよいがな。ただし、そのかわりに。。わかっておるな?
野:ははっ。何なりとお申し付けを!


頼まれてもない牛肉緩和というお土産を何の引き換えもなしに渡してしまい、早速ドジョウは日本の国益を一つ損なった。しかも事前に国民に一切諮ることなしにだ。擦り寄り土下座外交という他ないな。

もうこれは、よほどのバカでないとしたら、TPP交渉で日本の国益を得ようなんて最初から考えてないとしか思えない。お情けで入れてもらった会議の場で、強いこと言ってリーダーシップを取れる猛者がいたら、是非お目にかかりたいものだ。

おそらく、米国は日本のTPP交渉参加を受け入れるだろう。かなりきつい条件と引き換えにだ。そしてドジョウ氏はそれを呑むだろう。彼にしてみれば、とにかくTPPに参加することが目的なのだから、どれだけ日本を安く叩き売ろうと意に介すことはあるまい。

おなじ売国でも、どうせならもうすこし高く売ってもらえないものか。

一連のやりとりで、米国だけでなく、他の参加国にも「組し易し」の印象を与えたことだろう。早速、マレーシアごときに「これまでの交渉で9カ国が合意した通商ルールを受け入れることが日本参加の前提だ」と圧力をかけられている。

TPP交渉の切符を手に入れるためには、9カ国の合意済みルールを丸呑みすることの他、米以外の各参加国にも何らかのお土産を用意しないといけないかもしれない。サンタさんかお前は。しかもそこまでしても、参加できるのはルールがほとんど固まった半年後といわれている。


ある程度の下交渉、事前調査をしていたなら、こういう状況に陥るのは十分に理解できたはずだ。いや、大して調べなくても既に状況からして明らかだった。アメリカは日本に対してTPP交渉参加を要請なんてしていなかったのだから。
それでもあえてそこに飛びこんだ野田ドジョウに、日本の国益を守る意思などハナからないと断ずるほかあるまい。


むしろ、ドジョウ氏と民主がただのバカであることを祈るよ。